バッハ:ゴールドベルク変奏曲(1981年デジタル録音)石丸電気の2号館でクラシックの階へ足を運んだ時、耳にしたのがこの演奏。凄まじいスピード感と音符の一音一音が浮かび上がるかのような両手の力は神業で、同曲のみならず、ほかの多くのピアノ演奏を、過去のものへと追いやった感じさえした。1955年盤の方が演奏が早くて、現在聴いても古びていないという点では画期的だけど、個人的には、この1981年盤の演奏の方がゆっくりだけど、自分の好みには合っている。
1回目の55年録音のアルバムでデビューし、当アルバム録音の翌年、50歳の若さで急死してしまったことは、何かの因縁でしょうか。グールドの55年と81年の演奏のどちらがいいというのは、私も個人の好みだとは思います。ほかにザルツブルク音楽祭のライブ盤があるが、それはこの演奏と、55年盤の中間のような気がするのです。
これは、55年の演奏が悪いとかそういうことではなくて、グールドにとっては、55年の演奏と81年の演奏の両方があって、はじめて、グールドの中のゴールドベルクという曲の解釈は完成したのではないかと思います。それに何と言っても、今でも新鮮な演奏という点では驚きに値するものです。
第一期、第二期(4月4日発売予定)はグールドの盤暦の中でも、もっとも重要な作曲家であるJ.S.バッハの鍵盤楽器のためのソロ作品を集めました。
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